新しいマネジメントの教科書#1
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コロナ禍により会社と出世の仕組みは激変した。上司にとって部下との会話、部下の育成、評価などの悩みは大きく、特に課長レベルの管理職からは悲鳴にも似た声が聞こえてくる。特集『新しいマネジメントの教科書』(全18回)の#1では管理職5人による匿名座談会をお届けしたい。(ダイヤモンド編集部 山出暁子、塙 花梨)

石川さん 50代、女性。教育関連企業勤務。参加者の中で最もアナログな体制の会社。部下は20〜50代の20人。コロナ後に「承認するだけ」の会議が多いことに気付き、削減の必要性を痛感。
高井さん 40代前半、男性。メディア企業に勤務。ネット媒体の編集長。リモートワークは進んでいるものの、古いメディア企業故に運用面は改善すべき点も。部下は20人で、男女とも年齢は広範囲。
永田さん 30代前半、男性。大手IT企業の営業系の部署に所属。コロナ前からリモート対応はかなり進んでいた。参加者の中では最も大きな企業に所属。直属の部下は5人で全員が若手。
山崎さん 30代後半、男性。中小化粧品メーカーで広告の作成に関わる部署に所属。女性が多い会社のためコロナ前からリモートワークの導入を準備していたが、コロナで前倒し。部下は6人。
里田さん 20代、男性。医療系のスタートアップの経営陣。数年前の創業当初からリモートワークを導入している。組織上の部下は30人だが、常時接するのは5〜6人で若手が多い。
*全員が仮名

会話に評価に育成…
上司と部下の苦悩が噴出!

編集部 皆さん、リモートワークはどのように導入してきましたか?

山崎 弊社は女性が多いので、小さなお子さんがいる方から優先的に対応していきました。

高井 うちは緊急事態宣言明けも6割以上をリモートワークにという目標を立てたんですが、雑談もできない環境はきついので週に1〜2回出社ということになっています。

永田 そう、雑談は大事。一番きつかったのは温度感が分かんないことですね。例えばクレームの報告でも以前なら表情で深刻さが分かった。今も「報連相」はあるんですが、やはりリアルで会わないと切迫感が分からない。

高井 うちは、冗談みたいな話ですが、こんなことがありました。

 緊急事態宣言後にようやく出社できた新卒の社員が、コピーを取ろうとしたんですね。そしたら、オフィスから出てコンビニまで行ってコピーしちゃったんです。コピー機の場所も知らなかったし、先輩がコピーするのを見たことなかったんですよね。

里田 僕らの会社は創業当初からずっとフルリモートでやっていたので、大きな問題は起きなかったです。

 しかし、会社が拡大する中で社員が急増していて、そのケアは課題でしたね。

 皆さんが言うように雑談がなんで大事かっていうと、特に新しく転職してきた方だと率直に発言しづらかったり、ちょっと聞きづらかったりする。リモート会議だと、アジェンダベースでしか会話が進んでいかないので、それ以外のものをどうするのか……。

 ただし、うちはもともとかなり情報の見える化をしていました。同じ情報を持っていて判断基準があれば、誰でも同じように判断できるようにしたかったんです。だから、全ての会議を録画して、文章としても残すっていうのが文化として定着していて。コロナの後も困ったらそれを見れば判断できる仕組みになっています。

石川 古い文化の会社ですと承認をするためだけの会議が多いと思うんですけど。私の会社では、Zoomの導入によって、その種の会議がいかに多いのかあぶり出されて、見直しが始まっていて、本当にみんな喜んでいます。

編集部 リモートワークが当たり前になると、評価は変わりますか?