コロナで“復活”した量的緩和
金融支援特別オペで大量の資金供給
日本銀行の新型コロナ対応の金融緩和によってマネタリーベースが急増している。年間約80兆円の増加ペースという目標がなくなり、増加ペースが大幅に低下していたが、9月以降は前年比80兆円を上回るペースで増加している。
マネタリーベースの拡大をもたらしているのは、売り上げ急減の企業の資金繰り支援の融資をする金融機関に日銀が低利資金を供給する新型コロナ対応金融支援特別オペレーション(以下、特別オペ)による大量の資金供給だ。
しかも、日銀当座預金が膨張しただけのかつての量的緩和と異なり、特別オペで供給された大量の資金が金融機関からの貸し出しを通してマネーストックの増加につながっている強力な緩和政策だ。
こうした超緩和状況が実現しているにもかかわらず、日銀は12月の金融政策決定会合で「より効果的で持続的な金融緩和を実施するため」として政策点検をすることを打ち出した。
今なぜ、政策点検なのか。そこにはコロナ後をにらんだ思惑がある。