トレーニングオタク、周りにいませんか?
会社員2年目のJ君を例に挙げましょう。
大学ではハンドボール部で体育会系の生活を過ごしていたJ君。卒業後もフィットネスジムやジョギング、家での筋トレを欠かしません。去年、大学の後輩と結婚しましたが、トレーニング好きは変わりませんでした。
毎日のエクササイズとジョギングのおかげで、体脂肪率は1桁を維持し、体調もすこぶる良好でした。ところが、J君は徐々に問題を感じるようになってきました。休日に奥さんと一緒に買い物に出かけていても、トレーニングのことが頭から離れなくなっている自分に気づいたのです。仕事中にも、フィットネスで体を鍛える自分を想像するようになってしまいました。
オーバートレーニング気味になったせいか、ある日、J君は足関節を痛めてしまいました。医師からは、当分の間は激しい運動を控えるようにとの指示があったのですが、ちょうど申し込んでいたハーフマラソン大会を控えていました。「休んだほうが足にはいい」と、頭では理解しているのですが、そのうち、「これくらいなら大丈夫だ」という考えがムラムラとわいてきました。結局、J君は奥さんの反対を押し切り、痛みを鎮痛剤でごまかした状態で完走してしまったのです。
自分の痛みをごまかすことはできても、奥さんを説得することはできませんでした。あまりに無謀な練習ぶりを忠告した奥さんとたびたび口論するようになり、夫婦関係は険悪になってしまったのです。