裁判所判決を
韓国政府は傍観か

 しかし、文在寅政権は慰安婦支援団体の不正行為に目をつぶっている。それは文在寅政権が市民団体に寄り添ってきたからであり、今更これを切り捨てられないということであろう。それから判断すると、今回の判決に対しても「司法に関与できない」と逃げるだけであろう。

 これに対し、日本政府が妥協することはあり得ない。そうなれば原告団は日本政府資産の差し押さえを要求することになろう。そしてそれが実行されれば日本は対抗措置を取ることになる。その結果、日韓関係は泥沼化するだろう。

 米国では20日にバイデン政権が誕生する。バイデン政権は「民主主義国の首脳会議」を主宰し、民主主義陣営が協力して中露に対抗する姿勢を示している。そうした中で、日韓の対立の激化は望まないであろう。

文在寅の謀略 すべて見抜いた!『文在寅の謀略 すべて見抜いた!』
武藤正敏著
悟空出版
1400円+税

 韓国政府は人道主義の見地から日本を非難し米国の支援を求めることになろう。しかし、文在寅氏の人道主義と言っても、それはご都合主義である。北朝鮮の人々の人権には全く無頓着であり、対北朝鮮ビラ散布法は国内の憲法に違反し、市民的・政治的権利に関する国際規約にも違反するという見方が大勢である。

 日本政府としては米国に対し、これまで述べてきた韓国政府の一方的主張及び北朝鮮人民の人権無視を積極的に説明し、韓国政府の不当性を理解してもらうことが重要である。

 そして韓国の一方的に違法な措置については毅然と対応していく以外ないであろう。

(元駐韓国特命全権大使 武藤正敏)