日本経済Photo:PIXTA

 新型コロナウイルス対策の財政支出のほとんど全額が国債の発行によって賄われている。

 これは「現代貨幣理論(MMT)」の主張を地でいくようだ。

 しかし、MMTの方法が機能し続けるのは、国債の中央銀行引き受けが可能な場合だ。

 市中消化を前提にすれば、経済の回復に伴い金利が上昇して、MMTのやり方は機能しなくなり、日銀による国債直接引き受けを求める声が強まる可能性がある。

 インフレを防ぐためにも日銀引き受け禁止規定の厳格化が必要だ

増大する財政支出を
国債で賄なってきた

 緊急事態宣言の再発令に伴って営業時間の短縮要請による「協力金」が増やされることになった。また雇用調整助成金の公費による上乗せも拡充・継続されるが、経済界は雇用保険料の引き上げを望んでいない。

 これらに加えて医療面での対応も必要だ。今後もコロナ感染拡大が続けば、財政支出の要求がさらに増大する可能性が強い。