マスクの飛沫防御効果については、構造や素材の異なる5種類の製品を使って検証された。具体的には、通常の布マスク、PM2.5フィルターを装着した2層構造の布マスク、濡れたPM2.5フィルターを装着した2層構造の布マスク、サージカルマスク、医療従事者向けのN-95マスクである。

 その結果、それぞれのマスクがほとんどの飛沫を捕獲することが明らかになった。N-95マスクは100%の飛沫をブロックしたのに対し、サージカルマスクは0.06%、濡れたPM2.5フィルターを装着した2層構造の布マスクは0.03%、PM2.5フィルターを装着した2層構造の布マスクは1.70%、布マスクは3.61%の飛沫を通過させた。

 3.61%という数字は小さく見える。しかし、相手との距離が6フィート未満の場合には、疾患を広めるには十分な量である。特に、感染力の強い新型コロナウイルスの場合には、罹患者が数回くしゃみや咳をしただけでも感染する可能性がある。Kota氏は、「マスクがなければ、感染リスクの高い人が多くの飛沫を吸い込んで感染してしまうことは、ほぼ確実だ」と述べている。

 ウイルス保持者の疾患重症度にもよるが、一度のくしゃみにより放出されるウイルス粒子は最大で2億個にも及ぶ。マスクがそれらの粒子の大部分をブロックしたとしても、ウイルス保持者の近くにいる人を感染させるのに十分な量のウイルスは残存し、空中に漂っている。

 Kota氏は、「マスクは間違いなく役に立つ。だが、完璧ではない。人と人との間の距離が非常に近い場合には、ウイルスを拡散させたり、ウイルスに感染してしまう可能性がある。また、感染防止に役立つのはマスクだけではない。マスク着用と、ソーシャルディスタンスを保つこと、その両方が大切だ」と結論付けている。

 なお、この研究では、マスクを正しく着用しているか否かについては考慮されていない。そのため、ウイルス保持者がマスクを正しく着用していない場合には、空気中に放出される飛沫の量が増える可能性があるという。(HealthDay News 2020年12月23日)

https://consumer.healthday.com/b-12-23-it-takes-masks-plus-social-distancing-to-prevent-covid-spread-study-2649619029.html

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