ただでさえ空前の低金利なのだから、住宅ローンは安心の固定金利で借りることを推奨する。(経済評論家 塚崎公義)
住宅ローンは、固定金利で借りるべきだ。理由の第一はインフレのリスクを避けるため、第二は、現在の金利情勢が固定金利に有利であるため、である。
(理由1)長期金利は、予想短期金利と等しいというのが基本だ。住宅ローン金利は、固定の場合は長期金利と、変動の場合は短期金利と連動するので、人々の予想が当たれば、どちらで借りても損得はないはずだ。それならば、短期金利の高騰リスクを避けるために長期金利で借りるのがいいだろう。
(理由2)現在は、日銀が大量の国債を購入しているので、長期金利が「あるべき水準」より低い。それを基に決められている固定金利の住宅ローンも、あるべき水準より低いはずであるから、こちらを選ぶ方が有利だ。
それぞれについて以下で詳しく論じていく。なお、現在の日本は、歴史的な低金利局面にあるが、本稿の前半ではそのことを忘れて、一般論として固定金利と変動金利について論じることとしたい。