期待値としても固定金利の方が得

 ここまで、現在の日本が歴史的な低金利であることを忘れて論じてきたが、実は歴史的な低金利であるために、長期金利が予想短期金利平均より低くなっている可能性が高いのである。

 日銀があまりに巨額の長期国債を購入していることで、長期金利が「日銀が買わなかった場合の水準」よりはるかに低くなっているはずだ。

 そうであれば、長期金利に銀行のコストや利益を上乗せして決まっている「固定金利の住宅ローン」も、「あるべき水準」と比べて低すぎる、という可能性が高い。それなら、変動金利で借りるよりも得をする可能性が高そうである。

 20年、30年と固定金利で借りる場合には、さすがに変動金利より高い金利を支払う必要があるようだが、それでも「あるべき水準」よりは低いと考えて良かろう。

「あるべき水準」よりも低い金利で借りられ、その金利は変動金利で借りる場合と大差ない水準であり、しかも金利上昇時にも負担が増えない「保険」が得られるのであれば、リスクを嫌う借り手は迷わず固定金利を選択すべきであろう。

 本稿は、以上である。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織等々とは関係がない。また、理解しやすさを重視しているので、細部は厳密でない場合がある。