墨田区、松本市は独自の工夫で病床確保
小池知事は“広報係長”に徹したが

 一方で東京都墨田区は、重症者向けの病院に入院していた患者のうち、回復した患者を一般病床に移せるよう、受け入れ先の医療機関に補助金を出す方針を決定した。高度医療が可能な病院で重症者を受け入れるキャパシティーを少しでも増やすのが狙いだ。

 長野県松本市と周辺の8自治体でも、コロナ重症者を大規模病院が集中的に受け入れ、他の病院で中等症の患者やコロナ以外の患者を受け持つという役割分担をする「松本モデル」を実現した。

 政府は今国会で、コロナ患者を受け入れない病院の名前を公表できるようにする感染症法の改正案を提出しており、その是非をめぐって議論がなされている。しかし、現行法の下でも医療関係者や自治体間の工夫によって、コロナ患者により適切に対応し、救える命を増やすための努力が区や市町村レベルでなされているのだ。

 この間、東京都は一体、何をやってきたのだろうか。

「ダイヤモンド・オンライン」でこれまで何度も指摘してきたとおり、小池知事による主なコロナ対策といえば、外出や会食を控えるよう呼び掛けることだった。ところが、高齢者の会食自粛を呼び掛けたその日に85歳の財界人が参加する会食に自らが出かけるなど、言行不一致のパフォーマンスに終始してきた。

 鳥取県知事や総務相を務めた片山善博・早稲田大学公共経営大学院教授は、昨年11月に出版した「知事の真贋」(文春新書)の中で小池知事を「コロナ関係広報係長」と痛烈に皮肉っている。具体的な記述は以下だ。

「コロナ対策は実質的に都庁組織が決め、自身はキャスターとして広報活動に徹するという役割意識で自分の居場所を見つけたのかもしれません。その方が都民の目に触れる機会が増えるから、七月投票の都知事選にもよかったのかと思います」

「あまり勉強しないで独自策を打ち出そうとすると、生兵法は怪我のもとになりかねません。広報係長に徹したのは、都庁の仕事を邪魔しないという意味では正解だったと言う人もいましたが、同感するところはあります」