やっぱり強い…トヨタの26年3月上期の決算発表は日本経済にとって確実に朗報だった Photo:P JIJI
トヨタ自動車が2026年3月期の第2四半期決算を発表した。そこから見えてきたのは、「トヨタの底力」と「トランプ関税15%の大きすぎる犠牲」。「トヨタ以外は全社負け」という悪夢が現実味を帯びてきました。関税影響分の約25%を自力で吸収したトヨタの“すさまじい企業努力”とは?(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)
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トヨタでも減益…
業界全体の業績に暗い影
トヨタの今年度上半期の決算が6日に発表されました。これまで自動車各社はそれぞれトランプ関税の影響が業績に甚大な影響を及ぼすと発表していました。
トランプ関税の影響を含んだ本格的決算発表となった今回、トヨタの中間決算はやはり大幅減益でした。営業利益は2兆56億円とかろうじて2兆円の大台に乗せてきましたが前年比で▲4585億円のマイナスです。
通期の営業利益の見通しは3兆4000億円で、前期比▲1兆4000億円と下期のほうが業績がさらに厳しくなる見通しです。決算発表が行われたのはまだ株式市場が開いている時間帯でしたが、内容は市場予想よりも厳しかったと見えて発表後の30分の間にトヨタの株価は▲3%超の下落となりました。
出典=トヨタ自動車株式会社決算資料
特記すべきことはこの減益幅がトランプ関税の影響とほぼ同じだという点です。トヨタによれば通期のトランプ関税の影響額は▲1兆4500億円になる見通しです。
「つまり、自分たちでは制御できない外部要因だけが減益要因で、あとはこれまで通りということだね」と早合点するかもしれません。
しかし、日本の自動車業界にとって状況はもっと深刻かもしれません。この記事ではトヨタの決算内容を分析したうえで、日本の業界全体ではどのようなことがこれから起きるのかをお話しします。







