知床半島のヒグマ Photo:123RF
北海道・東北地方を中心に、連日クマによる人身被害が絶えません。東京農業大学・山崎晃司教授(崎は立つ崎)は、クマは「可愛さ」と「恐ろしさ」というまったく異なる印象を一身にまとう、不思議な動物だと言います。前回に続き山嵜氏監修の『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』(日本文芸社)よりクマの性格や驚くべき身体能力を紹介します。
クマは臆病で甘えん坊?野生動物だって感情豊か
見た目は怖いが実は優しい?
大きくて怖い動物。クマというと、どうしてもそんなイメージが先に立ちます。ところが、クマの行動をじっくり観察してみると、驚くほど臆病で、慎重で、そしてちょっぴり甘えん坊な素顔が見えてきます。
野生のクマの多くは、とても神経質な性格の持ち主です。人の足音や話し声、衣服のにおいにすら敏感に反応し、すぐにその場から離れようとします。基本的に人との接触を極力避ける“ビビり”な生き物で、こちらから刺激しない限り、自分から襲ってくることはめったにありません。鋭いツメや強い体を持ちながら、過剰に用心して行動する姿には、見た目とのギャップが感じられます。
子グマが母グマの足もとにぴったりくっつき、甘えるように体をすり寄せたり、じゃれついたり。そんな可愛らしい姿を映像などで見たことはないでしょうか。こうしたしぐさをするのは、子グマだけではありません。大人のクマもストレスの少ない環境では、リラックスした様子を見せてくれます。







