市場資本主義なら、資金を最大限活用できる企業に正しく資本配分される可能性がある――そう主張するのが時に難しいことがある。好例を挙げよう。今年に入り、米株市場のパフォーマンスは個々の株価が決めている。低位株ほど好調で、値がさ株ほど不調なのだ。将来のキャッシュフローやバリュエーション、ブランド力、経営手腕、あるいは政治状況に敏感かどうかさえも、慎重に評価する必要がない。繰り返し言うが、今年これまでの株価の動きを最もうまく説明するのは、株価というほとんど意味のない数字だ。株価1ドル未満の銘柄が最もパフォーマンスに優れ、1ドル~2ドルの銘柄がそれに続く。それ以降もほぼ完全に相関関係にある。パフォーマンスが最悪なのは、株価が100ドルを超える銘柄だ。まるで投資家は、株価の低さがその銘柄がお値打ち品であることを示し、株価が高いことはそれに見合う価値がない証拠だと考えているかのようだ。
ファンダメンタルズを無視すれば市場崩壊の恐れ
論理の欠落が生じている状況は憂慮すべき
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