軽自動車の
ストロングハイブリッドは成立するか

 まず、軽自動車のストロングハイブリッドという方式が成立するかどうかについてだが、筆者が「行ける」と考える理由は2年ほど前、スズキのストロングハイブリッド「スイフトハイブリッド」を500kmほど走らせてみた経験からだ。

スイフトハイブリッド「スイフトハイブリッド」。車重が軽ければ電動システムが小規模でもフルハイブリッドにできる Photo by K.I.

 スイフトハイブリッドはストロングをうたうが、電気モーターは最高出力10kW(13.6ps)、最大トルク30Nm(3.1kgm)と小規模。かつてホンダが作っていたマイルドハイブリッドシステム「IMA」よりも低スペックである。

 テストドライブ前は「いくら何でもこのスペックでストロングと言い張るのには無理があるのでは!?」といぶかっていたのだが、実際に走ってみるとこれが全然イケていた。

 緩やかな発進や加速は十分に電気モーターだけでこなすことができたし、速度が乗った状態ではエンジンが停止し、電動部分だけを使って空走できる。必要のないときにエンジンを停めるというのはエンジン車のさらなるCO2削減を果たすための大きなテーマとなっているが、それがすでにできていることは大きい。CO2排出量削減効果は大きく、燃費は市街地3、郊外7の比率で25km/l前後、郊外だけならさらに好燃費を記録していた。

 難点はやはり、価格。以前は194万4000円で販売されていたが、スズキの思惑通りに売れず、コストダウンが進まなかったこともあってか、現在は208万7800円と、消費税増税分を超えて値上げされている。

 とはいえ、仮にこれだけのシステムを載せても300万円などにはなっていないのである。

「300万円は大げさにしても高ければ意味がないじゃないか!! 軽自動車は小さいからそのシステムは載らないだろう!!……」という声が聞こえてきそうである。

 その通り、軽自動車は高くては意味がないし、そのシステムが丸ごと載るわけでもない。が、それはスイフトハイブリッドが電動パワートレインのシステム電圧100ボルトで、バッテリーのサイズやパワーコントロールユニットが大型で高コストだったからだ。

 現在、欧州ではマイルドハイブリッドを48ボルトで駆動させるシステムの普及が始まっている。現状では48ボルトバッテリーのサイズは普通の鉛電池より少し大きく、軽自動車規格だと室内スペースを食われるのは避けられない。