総予測#60
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2020年の年末に自動車業界に激震が走った。菅政権が「カーボンニュートラル」の方針を示したことを受けて、「ガソリン車をゼロにする」スケジュールが大幅に前倒しされたのだ。これまで成長産業だった自動車業界に、いよいよ逃げ場のない再編淘汰の波が押し寄せている。特集『総予測2021』(全79回)の#60では、脱落候補となる自動車メーカーを予想した。(ダイヤモンド編集部 浅島亮子)

「週刊ダイヤモンド」2020年12月26日・2021年1月2日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

急転直下の「カーボンニュートラル」宣言
電動化目標が大幅に前倒し

 2020年の年末が押し迫ったタイミングになって、自動車業界に激震が走った。二つのルートから“爆弾”が飛んできたのだ。

 まずは、経済産業省が30年代半ばまでにガソリン車の新車販売をゼロにする着地点を探っていることが明らかになった。それから間髪を入れずに、東京都が30年までに都内で販売される新車を脱ガソリン車とする方針を明言した。

 30年にガソリン車をゼロにするといういずれの方針も、下地にあるのは菅政権が提示した「成長戦略実行計画」だ。この計画では「カーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態)の実現」が真っ先に掲げられている。その重点分野として「自動車・蓄電池」が盛りこまれたことから、自動車の電動化目標が大幅に前倒しされたのだ。

 これまで経産省が示していた目安では、30年の新車販売のうち30~50%は従来車(ガソリン車など内燃機関車)が残るとされていた。それにもかかわらず、一気に向こう10年でガソリン車が消えるというシナリオに一変したのだった。

 今回の爆弾投下について、自動車に詳しい杉浦誠司・東海東京調査センターシニアアナリストは「自動車メーカーが目標を達成するには原価の高い電気自動車(EV)シフトを急がねばならず、準備不足のメーカーの息の根を止めてしまうことになる」と懸念をあらわにする。

 どの自動車メーカーが脱落してしまうのだろうか。