文在寅氏の言葉は
慰安婦合意のちゃぶ台返し

 文在寅氏による言葉だけの日韓関係改善の意欲に、日本側はしらけている。

 日本の政府、与党一体として求めているのは、日韓関係を改善したいのであれば、日本側が受け入れられる解決策を示すべきだということである。「元慰安婦問題で同意できる解決方法を日本と協議していこう」という文在寅氏の言葉は、2015年の慰安婦合意のちゃぶ台返しであると反発している。

 韓国のマスコミは20日、いずれも産経新聞の記事を引用し、「日本政府は強制動員(注:韓国側の一方的な言い分であり、朝鮮半島出身労働者が正しい表現)と『慰安婦』問題について韓国側が前向きな解決策を示さない場合、首相や外相らと姜大使との面会を遅らせる方針であることが分かった」と報じている。首相や外相と会えない大使では国の代表として十分な役割を果たせない。

 自民党の外交部会は19日、ソウル中央地裁での「慰安婦問題」判決に対し、「断固たる対応措置を検討すべき」だとし、国際司法裁判所への提訴や姜大使に対するアグレマン(大使として駐在することの同意)の撤回、相星日本大使の韓国赴任を当面見合わせることなどを求めた。

 文在寅氏は、姜大使の日本政界との人脈に期待して任命した。しかし、韓国は自らの対応により、その出はなをくじいてしまった。

 そもそも、姜大使は2011年5月に北方領土を訪問し、当時の菅直人首相は深い遺憾の意を表明していた。また昨年には「歴史と正義特別委員会」の委員長に就任し、「親日派」の国立墓地への埋葬に反対していた。

 こうした姿勢に対し、日本の政界では快く思わない人も多く、姜大使に対するアグレマンを拒否すべきだという声も多かった。文在寅氏がそうしたことを認識した上で、同氏を駐日大使に任命したのだろうか。