クレームのさばき方がうまい人とは

 では、ここでクレームのさばき方がとてもうまい2人を紹介する。

 まず一人目は、長年カスタマーサービスで働いている知人だ。クレームがたまにあるだけでキツイが、知人はそのクレームを毎日処理している。

 その知人が、ひとつ秘訣を教えてくれた。クレームが起こったとき、たいていの人は「大変申し訳ございません」と平謝りする。これで収まることもあるが、気難しいお客様やクレーマー的な人は

「お客様を何だと思っているんだ!」
「社員にどういう教育をしているんだ!」

 などと感情的になるケースもあり、こじらせ怒られる時間が長くなるという。そこで、まずは

「詳しい状況をお聞かせいただけないでしょうか?」

 といった質問から入る。こう聞かれると、お客様は反射的に時系列に話を組み立てて話すようになる。これによって冷静になることも多い。お客様の中には勝手に話をして「今回はいいから、今度は気をつけてね」と自ら解決する人もいるという。

 クレームが起こった際、「まずは話を聞かせてもらえますでしょうか?」と質問から入ってみる。これは非常に参考になるだろう。

 もう一人のクレーム処理の達人は、営業スタッフ時代、私が絶大な信頼を置いていたメンテナンスの方で冷静な人だった。

 ちょっと頭に血が上ったお客様が「2カ月でこんなことになるなんて、欠陥じゃないか!」と騒いでいたとする。そこへスッと近寄り「この部分ですね。ちょっと見せていただけますか」と冷静にチェックする。

クレームを最短で処理する方法とは?達人が教える「魔法のフレーズ」『一瞬で心をつかむ!聞く力』(学研プラス)菊原智明著

 少し間を置いて、お客様に「これは○○すれば大丈夫ですよ」とサラッと言う。この一言でお客様が安心したという。こうすることで、多くのお客様から感謝してもらい、信頼度をアップすることができたのだ。

 その方は「トラブル、クレームに対応するときはいつも以上に冷静になる」と教えてくれた。これも非常に参考になる考え方だ。

 クレームが起こらないように細心の注意を払う。それでもクレームは起こるもの。そんなときは今回紹介した方法でうまく対処してほしい。うまく処理できるうえ、クレーム以前より信頼関係を深めることも可能になる。