「戻れ、中国の領空に接近している。進路を変更しなければ迎撃する」。中国の航空管制官が警告を発した。米爆撃機B52は警告を無視。就役60年を経た機体はそのまま飛び続けた。中国の沖合160キロをゆっくりと進む米空軍爆撃機B52の乗員は、無線機から聞こえる警告を無視した。就役60年を経た機体はそのまま飛び続けた。これは爆撃機のプレゼンスを示すための任務だ。こうした飛行の狙いは、米軍がカバーする範囲の広さを誇示し、領有権争いをする空域で国際通過通航権を擁護することにあった。同時に、米国防総省の計画が垣間見える機会でもあった。すなわち将来の戦争への備えを、冷戦時代初期に作られた航空機に頼っているということだ。