交通違反切符を交付した女性の自宅近くをうろついて暴行したとして、強制わいせつ未遂とストーカー規制法違反の罪に問われた北海道警の元巡査部長、谷内章憲被告(41)の判決公判が昨年12月、函館地裁で開かれ、日野進司裁判官は懲役2年4カ月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。「お急ぎのところすみませんが、免許証を拝見」。ありがちなやりとりだが、職権で合法的に個人情報を入手できる警察官。過去にも同様の事件はあり、裏金で示談金を支払い、もみ消していた時代もあった。(事件ジャーナリスト 戸田一法)
切符を交付した女性に好意
判決によると、谷内被告は過去に切符を交付した30代女性に好意を抱き、非番だった同7月27日夜、女性の乗用車を追跡。わいせつな行為をしようとして、女性の自宅前で両肩をつかんで「大声を出すと殴る」などと脅した。
日野裁判官は「警察官でありながら、一方的な好意や欲望から行為に及んだ」と厳しく指弾。一方で示談が成立し、警察官を辞職していることを理由に執行猶予とした。判決は同12月18日付。道警は同9月、谷内被告を停職1月の懲戒処分とし、谷内被告は依願退職していた。
全国紙デスクによると、谷内被告は犯行当時、函館西署交通課に所属。8月1日、帰宅した女性に道案内の依頼を装って話し掛け、判決が事実認定した行為をしたとして、暴行と脅迫の疑いで逮捕された。