コロナ禍の影響で先行きの見えない経営が続いている企業が多い中、逆にユーザー数を伸ばし好調な企業の筆頭ともいえるのが、米動画配信サービスのNetflix(ネットフリックス)だ。日本でも韓流ドラマ『愛の不時着』の大ヒットや、ジャニーズグループ「嵐」のドキュメンタリーなどで話題を集めた。また、Netflixオリジナル作品の勢いが増すことによって、日本のエンタメ業界も少しずつ変化が起きている。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
全世界の有料メンバー数は2億人超え
2020年は、コロナ禍で、多くの人がステイホームをせざるを得ない状況に陥った。退屈な「おうち時間」を救ってくれたのが、Netflixなどの動画配信サービスのコンテンツだったという人も多いだろう。
現に、20年にNetflixの全世界の有料メンバー数は2億人を突破。通期の売上高は250億ドル(前年比24%増)を達成し、営業利益は76%増の46億ドルを記録するなど、勢いがある。日本でのサービス展開も5年が経過し、有料メンバー数は500万人を超えた(2020年9月時点)。
また、2020年第4四半期の決算発表によると、アジア太平洋地域(中国と北朝鮮を除く)のメンバー数は930万人増加(前年比65%増)していて、サービス拡大に大きく貢献した地域だったという。
ただ、コロナ禍という状況でNetflixに追い風が吹いていたとはいえ、他の動画配信サービスも数多くある。Amazonプライム・ビデオやHulu(フールー)、そして昨年から米ウォルト・ディズニーがディズニープラスを開始して参入するなど、サブスクリプション(定期購入)型の動画配信サービスは戦国時代。さらに、日本ではテレビ番組配信サービス・Paravi(パラビ)やABEMA(アベマ)なども選択肢としてあり、ユーザーはどれに課金すべきか悩ましい。
そんなし烈な競争の中、20年になぜNetflixが認知度とユーザー数を一気に伸ばすことができたのか。Netflix広報の東菜緒さんに話を聞いた。