「街おこしPCR」に冷ややかな本音と
上海政府を信頼する市民

 中国では各地で「街おこし」のように市民全員にPCR検査が実施されている。メディアでは「数日間で数百万人のPCR検査が完了」という見出しも目立つ。

 ところが、多くの国民の心中は下記のようなものであり、冷ややかである。

「このような大規模の検査は、果たして本当に意味があるのか」
「いったい税金をいくら使っているのか」
「地元政府が『やっている感』を示す、単なるパフォーマンスにすぎないのではないか」

 これが国民の本音である。

 現在、上海市全域、約150以上の医療機関にてPCR検査が可能となっている。

 市民は専用アプリで最寄りの医療機関に予約ができ、ほとんど待たずに検査を受けることができる。

 その費用も医療保険が適用され、個人負担はわずか数十元で済む。また多くの企業が社員に無料で検査をさせている。実際、先述の介護施設の経営者は「介護スタッフ全員に2週間に1度、受けさせている。費用はすべて施設側が持つ」と話していた。

「慌てない、デマを信じない。うわさを信じるより政府を信じる。われわれにとっては、経済や自由より一番守りたいのが命だ!」

 感染の抑え込みや経済回復で成果を出した政府への信任を語る、前出の友人の力強い言葉が印象的だ。

 上海市民からは「われわれは安全な街に暮らしている、とても安心だ」との声も多い。

 ちょうど1年前、筆者が寄稿した「新型肺炎厳戒で上海がゴーストタウンに!マスクに大行列、食料買い占め、デマも」の時期と比べたら、わずか1年間で、人々の意識がこうも変わったのかと隔世の感が否めない。

 家族に会いたい、親の手料理が恋しい…と、郷愁にかられるが、今年は帰省せず1人で春節を過ごすと決心する中国の若者は多い。ちなみに、今年は1人前の伝統の「年夜飯」(除夜の夕食、日本のお節料理に似ている)がはやっており、売り上げは昨年同比64%増加という。