ドンキらしくない
売り場

 しかし、肩透かしを食らった。そこにあったのは、まさに「ドンキらしくない売り場」だったからだ。ドンキが得意の派手なPOPもなければ、圧縮陳連はどこにいったのかというくらい、おとなしめの売り場。いわば、いたって正統派の大型SMの売り場なのだ。

 しかし、従来の大型SMと決定的に違うところは、品ぞろえが相当絞り込まれている点だ。

 売り場構成は1階が食品、2階が衣料品 、そして3階が「デイリードラッグ」という医薬品や化粧品など美容と健康商品のための売り場と、以前の売り場に比べカテゴリーを大胆に構成し直している。

 しかし、どの売り場を見ても「ドンキらしさ」を感じられないのだ。

 実はピアゴプラス妙興寺店は「見えないところ」が大きく変わっている。従来型のGMS企業が展開してきた「本部集中仕入れ」というやり方を否定した、ユニー本体がテコ入れした1号店だ。

 個店経営という、店舗のスタッフが商品の仕入れから競合店の価格を調査しての値付け、さらに陳列から販売まで店舗のスタッフ自らが考えて実行する方式に切り替えたのである。

 ドンキの基本原則である個店での仕入れ、販売体制といえる。

 ドンキ流の個店運営を持ち込んだのだから、当然、売り場もドンキ流が採用されていると考えそうなものだが、妙興寺店はその片鱗すらない。

強烈な成功体験
その殻をどう打ち破るのか

 周辺を見ると、その謎が解ける。わずか2~3キロメートルの距離の場所に「MEGAドン・キホーテUNY一宮大和店」というユニーを業態転換しダブルネームを冠した店があるのだ。

 メガドンキ一宮大和店は妙興寺店とまともに競合。つまり、相互に干渉しあうような場所にドンキのような店を2店作っても競合するからだ。同じ商圏内でユニーとドンキを成立させるPPIHの周到な計算だろう。

「小売業の個店は地域ナンバーワンではなくてはならぬ」というのがドンキ創業会長兼最高顧問の安田隆夫氏の持論。つまり同じような店を同一商圏に2店作ったらカニバリは避けらない。