「母親代わりの存在」にふさわしいものとは

 N美さんのように、実際の母親とは別の「母親代わりの存在」を見出すことで、救われる人は多い。

 それは身近な人でもいいし、芸能人、作家などの著名人、あるいは小説の中の登場人物などを”心の中の母”にする場合もあり得る。

 人ばかりでなく、私はときに、心に深く響いた本なども母親代わりを果たしてくれることがあると考えている。本だけでなく、大切な人からもらった手紙やお守りといった心のよりどころとなる物、ということもあるだろう。

 重要なのは、その人物や物に、どれほど感情移入して愛着を感じられるか、そして何よりも、それが健全な対象であるか否かが重要だ。

 母親代わりとするものは慎重に選ぶことが大切であり、カルト宗教などは決してその対象にはなり得ない。

 また、仕事に代わりを求めてしまう人が案外多いのだが、これも解決策にはならないので、おすすめしない。

次回は、3月12日更新予定です。