時代や環境変化の荒波を乗り越え、永続する強い会社を築くためには、どうすればいいのか? 会社を良くするのも、ダメにするのも、それは経営トップのあり方にかかっている――。
前著『戦略参謀の仕事』で経営トップへの登竜門として参謀役になることを説いた事業再生請負人が、初めて経営トップに向けて書いた骨太の経営論『経営トップの仕事』がダイヤモンド社から発売されました。本連載では、同書の中から抜粋して、そのエッセンスをわかりやすくお届けします。

Photo: Adobe Stock

マネジャーの仕事は、メンバーを支援することで
前向きなエネルギーを創り出すこと

 多くの場合、新たにルールを定めると、必ず知恵を使ってうまい「抜け道」を見出すものがいて、さらにその「抜け道」の抜け方は一瞬にして組織内に広がるものです。

「お前も気が付いたか。これ考えた奴、アホやな。こうやったら簡単にポイントを稼げるのに」

 この手の「抜け道」情報は、トップや本部がその「抜け道」に気が付かぬうちに、3日もあれば全マネジャーに拡がります。

 マネジャーたちの仕事は、出所がトップの意志なのか、本部による創作なのかもわからない根拠の希薄な運用基準に沿った評価数値を黙って受け入れることではありません。

 その数字を部下に与えて「何とかしろ」と無理強いし、達成できなかった部下を「あいつはだめです」と報告するだけの無責任な仕事でもないはずです。

 マネジャーの仕事とは、部下に対して今の仕事の意義を説き、現場のメンバーの問題解決を支援することで前向きなエネルギーを創り出すこと結果的にすべての業務の生産性を高めることです。