バルミューダ社長が明かす、「予定不調和」なものづくりを愚直に続ける理由
Photo by Toshiaki Usami

群雄割拠の家電市場で異彩を放つバルミューダ。そのものづくりの背景には独自の哲学が存在している。市場調査はせず、製品にバリエーションを持たせることもほとんどない。大手メーカー技術者も憧れるバルミューダのものづくりとは何か。前回に続き、バルミューダ社長の寺尾玄氏が語る。(構成/ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

複数モデル展開はしない
IoTもやらない、そのワケは?

 バルミューダの製品は、すごく早い段階で値段を決めています。

 われわれは、コンセプトメイキングと呼んでいる、デザインのベース案やその製品が持つべき機能の原理試作を作る初期の段階で値付けをするんです。「この体験価値は3万円だね」みたいに決めます。そこで上代(定価)が決まる。そこから設計が始まって、「原価をつくりにいく」という感覚ですね。

 最終的に残る利益の基準は定価の10%。製品ごとに変わる販管費も計算すると、原価がここまでに収まらないと利益10%が残らないっていうラインが分かる。そこで原価が決まり、それに向けて設計していくんです。昔はできていなかったんですが、今は「これいくら」っていうのを最初に決められるようになりました。