その事業運営は、20年2月に新設したホンダモビリティソリューションズが担うことになる。ホンダとGMは、これにより協業を拡大していくことになる。

 GMのメアリー・バーラCEOは、電動化戦略を急ピッチで進めることを宣言した。すでに次世代戦略車に経営資源を集中させるとし、25年末までに2兆8000億円を電動車と自動運転に投資、投資額・開発人員の半分以上をこの2分野に充てる方針を打ち出している。

 20世紀の世界の自動車業界のリーダーで、かつては「ビッグ1」と言われたGMだが、今や「世界覇権の量産・量販戦略体制」からシフトしている。すでに17年から欧州やインド市場から撤退し、世界の主力市場である北米と中国に絞り込んでいる。

 これとともに、電動化・自動運転への開発投資重点化とともにホンダとの戦略提携を発展させ、EV・FCVでの共同開発を進める。その一方で、内燃機関であるエンジンは、ホンダからの調達に切り替えるというドライな経営戦略を打ち出してきた。

 ホンダとしても、日本の自動車産業の構図がトヨタグループ(トヨタ・ダイハツ・日野・スバル・マツダ・スズキ)と日産・三菱自グループ(仏ルノー連合)に大きく色分けされる中で、孤立ではなく米GMとの連携強化を軸に「生き残りの道」を選択したのだ。

 このGMとの協業拡大を主導したのが、三部次期社長と言われる。

 米国ではGMと排ガス対策エンジン開発・供給を通じてパイプを持ち、FCV(燃料電池車)の共同開発も進めた経緯がある。社長交代会見でも「外部の知見やアライアンスなどを躊躇なく決断していく」とも語った。

「ホンダが目指すべき姿に早期に持っていくには、アライアンス活用で加速できる。ホンダ自前主義からの転換は、時間が最重要だ」と、明確にホンダ自前主義からの転換を強調したことは印象的だった。

 世界的に加速している電動化、特にEV転換について三部次期社長は「電動化の加速は十分、認識しているが、EVについては『作ればいい』という簡単なものではない。商品と事業性を両立していくことが重要でインフラも含め、事業性を成立させつつベストな戦略を進めていく」と性急なEV転換の動きには釘を刺した。

 ホンダの電動車戦略では、30年をめどに世界販売の3分の2を電動車にする方針を掲げており、HV・EV・FCVとトヨタと同様に全方位電動車開発・投入を進めている。昨年10月には、同社発の量産EV「ホンダe」を発売しており、これは排ガス規制が厳しくなる欧州EU対策という見方ができ、三部体制によるGMとの協業いかんでEV加速の方向はこれからということになろう。