こうした状況の中で、最近、「日式訪問入浴」が現地で大きな話題となっている。大手マスコミやテレビ局などからの取材が殺到し、その映像が中国全土に拡散された。各新聞社は社説まで出して大きく報道し、SNSでは称賛の声や感動の声が続々と寄せられた。

11年ぶりに暖かいお湯に漬かり
涙を流した70代の寝たきり女性

 記事の見出しは、「日本発の感動的“入浴物語”」「日式お風呂――清潔よりも人間の尊厳だ」「幸せとは何か?日本式訪問入浴がわれわれにもたらした思考」などなど。

 例えば、こんな事例が紹介されている。

「上海市内に住む70代の女性が寝たきりとなって11年間、一度も体を洗ったことがない。家族に体を拭いてもらう生活だった。その日、『日式訪問入浴サービス』を受けた。女性が11年ぶりに暖かいお湯に漬かって、あまりの気持ちのよさで、体が震えた。その喜びはあまりに大きく、言葉にはならず、ただ涙を流すだけだった。その後『生き返った思いである』と胸の内を明かした。

 そばにいた家族は、感激してスタッフの手を握り、ずっと離さなかった。『本当にありがとう!これは決してお金で買えるものではない、あなたたちのお陰で、母の笑顔を見られた』と感謝の言葉を繰り返した」

 大手新聞社の社説は、「上海でこれほど多くの高齢者や身体障害者が入浴さえできない現実は、GDP1位という輝くイメージとあまりにかけ離れている。日本からの発信された入浴方法は、ただのお風呂と解釈してはいけない。人間の尊厳と生きる喜びについて考えさせられた。中国で高齢者人口率が一番高い上海としては、今後の市政に問われることであり、本当の先進的な都市のあるべき姿とは何かと日本から課題をもらった」と述べた。

中国・上海で行われている訪問入浴の様子
中国・上海で行われている訪問入浴の様子

 SNSでは、

「本当に素晴らしい!決してお金で代えられない心がこもっているサービスだ」

「うちの母が最期の時に、一番の願望が一度身体を洗うことだったが、叶えてあげられなかった。一生悔いが残る、やってあげたかった…」

 などのコメントが多く見られた。