〆には具付き醤油ラーメン&すみれの冷凍炒飯

 続けて、具付き醤油ラーメンを調理する。出来立ての湯気が天井にのぼりスチームフェイスとなって乾燥気味な肌を潤してくれる。ハイボールを持って少し冷たくなってしまった手も温めてくれた。そのシンプルな味わいは、受験生だった頃の夜遅く、醤油ラーメンと肉味噌たっぷりのおにぎりを作ってくれた母の面影そのものだった。

 あの頃は、いくら夜食を食べても太らなかったし、本当に代謝が良かったな。人間の体って、どうしてこんなにも廃れていくものなのだろう。それでも、ハイボールと合わせればカロリーゼロってことでいいんだよね?

 ラーメンには「すみれの冷凍炒飯」も合わせる。この炒飯は冷凍にもかかわらず、お米がしっかりパラパラしていて、卵の風味もしっかりと残っている。炭水化物に炭水化物を合わせるのは許されないことだけど、ハイボールは「そういうところも可愛いね」って全部許容してくれちゃうんだ。

 これもハイボールを飲めばカロリーゼロ。とことん私に甘いな、ハイボールは。

 とはいえ、こんな夜中に罪深き食卓を前にしていると、さすがに罪悪感が湧いてきた。でも、この背徳感が幸福に変換されるのだから厄介だ。もう、全部コンビニのせいだ。深夜にも営業しているコンビニエンスストアが全部悪い。

 そんな濡れ衣を着せて、そろそろ寝ようと思う。

(本原稿は、酒村ゆっけ、著、『無職、ときどきハイボール』の原稿を一部抜粋・編集したものです)