台湾TSMCが半導体不足の自動車業界にとって「救世主」にならないワケ
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コロナ禍での自動車の減産とその後の急激な回復を背景に、世界的に半導体が不足している。そうした中で、半導体製造を手掛ける台湾のTSMCに大きな期待が集まっているという報道を目にする。しかし、事態はそれほど単純なものではないというのが業界の理解である。(グロスバーグ代表 大山 聡)

コロナのせいで“たった6.9%”の
成長にとどまった半導体市場

 2021年になってから半導体関連の報道が目立つようになっている。きっかけは自動車に搭載する半導体(車載半導体)が不足していて、クルマの生産に支障をきたしていることのようで、コロナ禍でも半導体業界は好調なのか、今何が起きていて、今後どうなりそうなのか、メディアでも積極的に取り上げようということらしい。

 このような状況を、筆者も半導体業界人の一人として非常に興味深く見ているが、一般の方々にはあまりなじみのある業界ではなく、ミスリードになりかねない報道も少なくないので、ここではなるべく分かりやすく半導体業界について説明させていただきたいと思う。