テレワーク環境下で、社員の「つながり」を醸成する

 調査では、「ウィズコロナ時代の働き方について希望することは?(複数回答可)」の問いに対し、「人とのつながり」という回答が40%以上の数字になっている。調査結果の動画解説*7 においても、「つながり」がキーワードに挙げられているが、障がい者の在宅勤務(テレワーク)が増えたことによって、ACE会員企業の人事担当者にはどのような苦労があるのだろう? また、ACEとしての課題解決は何か?――栗原事務局長はこう語る。

*7 ACEによる解説動画はYouTubeから閲覧可能になっている。→「コロナ禍における働き方アンケート調査結果」

栗原 テレワークの推進は、通勤や出勤によるコロナ感染を回避し、オンライン会議やチャットツールなどの導入によって、生産性や効率を下げずに業務ができるようになりましたが、一方で、「直(じか)にコミュニケーションできない不安さ」を挙げる回答もありました。

 実際に、テレワーク環境で表情や様子を見ることができず、障がいのある部下や同僚の体調の変化や病気になったことに気づけなかったという事例もありました。また、一人暮らしの社員は、孤立しがちで「寂しさを覚えた」という意見もありました。コミュニケーション不足は、「障害のあるなしにかかわらず、全社員に関係する課題」だとACE会員の各企業人事は認識しており、今回の新型コロナウイルス感染の収束後にリアルとオンラインを組み合わせたかたちのコミュニケーションを社内に促していこうと考えられています。疎遠や疎外感を覚えがちなテレワーク環境で、どう社員間の「つながり」を醸成していくかは、今年最大のチャレンジだと思います。

 この、「つながり」という観点から、「オンラインのメリットを生かせないか?」と、ACE会員の中で検討が始まりました。特定の会場まで来られない(会員の)方も時間・場所の制限なしに参加できる、業種・業界を超えたACEのメリットを活用して、それぞれの会社の障がいのある社員が企業の枠を超えてコミュニティを形成し、横のつながりのできる仕組みを提供できないか、と考えています。