企業の枠を超えた人脈・ネットワークづくりが肝要

 今回の[コロナ禍における働き方調査結果報告]において、ACEは、障がいのある方の困りごとに目を向けることが、社員のエンゲージメントを高め、働き方への気づきをもたらすと結論づけている。さらに、少数意見を切り捨てないことがSDGsの実現には不可欠とも記している。

 会員企業が37社(過去最大規模)になったACEは、調査結果を踏まえたうえで、具体的にどのようなアクションを起こしていくのだろう。

栗原 すでに、ACEの定例会では、今回の調査結果を今後の活動にどう生かしていくかの検討に入っています。新型コロナウイルス感染が収束しない間は、引き続き、オンライン中心の活動になるでしょう。

 会員企業各社から同じ障がいのある社員を集めて、課題やその解決策をざっくばらんに話し合う「ワイガヤセミナー*8 」を一度きりの会とはせずに、前回参加者のフォローアップを兼ねつつ、新規参加者も交えての開催を今夏に予定しています。これまでは、ACEが場所や機会やプログラムを提供していましたが、フォローアップ参加の方々にはセミナーでリーダーシップを取っていけるかたちも検討しています。ゆくゆくは、障がいのある社員自ら、企業の枠を超えた人脈・ネットワークづくりを行い、それらを生かしたセミナーやプログラムの企画を行っていけるようになっていければと考えています。

 昨年まで、障がいのある学生向けのキャリアセミナー*9 などで先輩社員として登壇してくれた方が、今期からACEの担当者として参画しています。ACE会員として当事者の方に入っていただき、当事者目線で各プログラムの企画・運営に携わっていただけることが期待されています。

*8 2019年11月「企業の枠を超えたネットワークづくり 第1回ワイガヤセミナー開催」、2020年3月「聴覚障害のある社員が本当に分かってほしいことは?! 第2回ワイガヤセミナー開催」(ともにACEホームページより)
*9 2020年10月「障害のある学生と企業・先輩社員をつなぐACEキャリアセミナーを初のオンライン開催」(ACEホームページより)