
化学業界は脱炭素対応や中国の化学品の供給過剰などを背景に大激変の真っただ中にある。化学メーカーの優勝劣敗も鮮明になる中で、各社の従業員の給与はどうなっているのか。特集『25年 給料ランキング』の本稿では、化学大手20社の2024年度の給料ランキングを公開する。10位に住友化学、6位に三井化学が入った。業績の浮き沈みなどを背景に23年度から「序列」も大きく変わった。果たしてトップ5は?(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)
三井化学は初任給を引き上げ
化学大手20社の給料ランキング
化学大手の三井化学は7月1日、新卒総合職の初任給の引き上げを実施した。従来から2万4000円引き上げ、大卒は28万円に、修士了は30万2000円に、博士了は35万2000円となる。大卒の引き上げ率は9.4%にも上る。2025年4月入社の新入社員も対象となる。
近年、化学業界でも賃上げや、初任給の引き上げが広がっている。ただし、化学業界は、脱炭素対応や中国の化学品の過剰生産など経営環境が激変しており、化学メーカーの「勝ち組」と「負け組」もはっきりしてきている。
では、各社の実際の給与はどうなっているのか。ダイヤモンド編集部は、化学大手20社の24年度の有価証券報告書を基に平均年間給与を集計した。また、前年度の給与額との増減率も算出した。
対象は、三菱ケミカルグループや住友化学、旭化成、三井化学、レゾナック・ホールディングス、信越化学工業、日東電工、東ソー、クラレ、カネカ、ダイセル、UBE、JSRなど。
ランキングには、業界では好待遇で有名なある企業がトップ3に入った。また、各社で業績などを背景に給与額も変動し、23年度に比べて“序列”も大きく変わった。トップ5に躍進した企業とは。次ページで、主要化学メーカー20社の最新給料ランキングを公開する。