ときめくセンサーを磨いたら起こるミラクル

作家・水野敬也「自己肯定感を高める出会いはいくつになっても起こり得る」Photo/曽川拓哉

水野:自分の持ち物と向き合って、ときめきセンサーを磨いておくと、価値ある人やモノに出会ったときに、すぐにときめく自分になれるという話を聞きました。

 そして、川原さんが今おっしゃったのは、今の自分があるのは自分を信じてくれる人がいたからだというお話でした。

 この二つをつなげると、こうなりませんか? ときめく力を磨いたら、出会った人に対して「あなたはすごい。すばらしい人だよ」と言える自分になれる。つまり、誰かの人生を変えられる自分になれる! そうじゃないですか?(会場拍手)

川原:本当にその通りです(笑)。

水野:自分の価値を信じてくれる人にすぐに出会うことは難しいかもしれない。でも、誰かの価値を信じる人には、今日からでもなれますよね。川原さんとこんまりさんは、この関係性を相互にやってきた二人だったんですね。

 手放しで信じ合っていて、しかも、そこに嘘がない。相手が心から信じてくれるから、自分も相手を信じられるし、「あなたのここがすばらしい」と後押しできる。

 そのためには、まずはときめく自分になることが重要な第一歩である。我ながら、すごい発見だなぁ(笑)。

川原:僕、もっといいこと思いついちゃいました。言っていいですか。

水野:ええ!? これ以上にありますか?

川原:誰かにとって最初の信じる人になる。この最たるお手本が、水野さんの『夢をかなえるゾウ』シリーズに登場する「ガネーシャ」なんですよ。冴えない主人公の可能性を100%信じた最初の人、いや、ゾウですが。そうですよね?

水野:これは最高な展開ですね!(会場拍手)。そうか……。だから、主人公は最後にガネーシャに聞いたんですね。「なんで僕を選んだんですか」って。書いた僕が今、分かりました(笑)。

 僕は物語を書くときに、最初からすべての展開を設計しているわけではなくて、頭の中で登場人物に対話をさせて書いていくんです。だから、「なぜ僕のところに来たのか」という主人公の問いも、自然に出てきたものでした。

 それは聞きたくなりますよね。両親や上司、友人からも十分に認めてもらえなかった主人公を、ガネーシャという神様が認めてくれたから頑張れたし、魅力的になれた。

 そんな物語だったことに、僕が今頃気づいている。川原さん、ありがとうございました。

川原:こちらこそありがとうございます。

(対談後編は2021年3月13日公開予定です)