荻原さんによれば、貯蓄性の保険を「払い済み保険」にする手もある。払い済み保険とは、保険料を払わずに保険に入り続けられる仕組みだ。保険をやめたときにもらえる解約返戻金を保険料に充てることで、今より保障額は小さくなるものの、今までと同じ期間保障を残したままにできる。

 利回りが高いときに入っていた貯蓄性の保険は、預けたお金が増えていることが多い。このため払い済み保険の保障期間が終わった後にお金が戻るケースもある。荻原さんが説明する。

「その場合、新たな元手なしに一時金が手に入り、保障も継続されます。『埋蔵金保険』ということもできます」

 たとえば、亡くなったときに3千万円もらえる保険に入っていた人が、死亡保障を1500万円に減らす代わりに、保険料の支払いをゼロにできる。保険料を払わなくて済むようになれば、毎月の負担は減る。

 保険の見直しで注意したいのは、バブル時代など利回りが高い時期に加入した生命保険だ。高利回りの保険は入り続けていたほうがいいと、荻原さんは助言する。

「貯蓄部分の運用利回りは、加入したときに約束した利回りが最後まで適用されます。低金利の今でも当時の高い利回りのままで、保険をやめたときにもらえる解約返戻金の額がどんどん増えていくのです」

 保険に入っている人は、お金を借りるのに有利な方法がある。

「解約した場合に戻るお金の7~8割までを借りられる『契約者貸し付け』と呼ぶもので、運用利回りに1~2%上乗せした利率で借りることができます。銀行の個人ローンやクレジットカードのキャッシングなどと比べて低い。審査も簡単。比較的早くお金を得られますし、保険の保障もそのまま続けられるメリットがあります」(荻原さん)

 家計を立て直せる見通しがあれば、今まで続けてきた保険をやめなくても、いったん借りて急場をしのげる。

 保険で言えば、2007年の郵政民営化以前に加入した郵便局の「簡易保険」は、実はもらい忘れている人が多い。

 民営化以前の簡易保険を預かっている「郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」によると、満期や死亡によって本来もらえるはずの死亡保険や年金のうち、引き取り手のないものが19年9月現在、約1300億円に上る。