「インスタ交換しよ」
「よろしくぅー!」

 ガード下の屋台では、男女が大きな声を張り上げ、盛り上がっている。複数のグループが狭いテーブルで相席になり、初対面同士で意気投合したようだ。「いい女やなあ~」という声も聞こえる。

 屋台で飲み終えたという板橋区の20代女性は、自らが看護師であることを後ろめたそうに答えた。

「暖かくなってきたし、屋外ならいいかなと思った。仕事でめいっていたけど、相席でいろんな人と話せて気晴らしになる」

 22時を過ぎると、アメ横は店を閉めて落ち着き始めたが、一本横に入った「仲町通り」ではむしろ活気が出始めた。特に深夜営業が目立ち、「24時間営業」「朝までやってます」と答えた店もあった。冒頭のようなハイテンションの客、道端で嘔吐や立ち小便をする客の姿が見受けられたのも、この通りだ。

 23時ごろには、さすがに閉めるお店もちらほら。行き場を失った客たちが、カラオケ屋やネットカフェ、ゲームセンターなどに続々と流れ込む。コンビニの前でたむろする若者たちや、締めなのだろうか、道に座ってカップラーメンを食べ始める人もいた。

 同僚と千鳥足で歩いていた30代の会社員男性は、「明日仕事だけれど、今日は朝まで飲み明かします!」と宣言。自宅は神奈川県・相模原市で、終電は逃したという。

 朝まで営業する飲み屋も複数あるので、夜通しで飲む人も少なくないのだろう。記者は終電で帰途についた。

 長期化するコロナ禍で「自粛疲れ」が生じている今、自治体がどんなに外出自粛を呼びかけようと、飲み屋に向かう客は一定数出てくる。アメ横周辺の居酒屋はそうした需要に応えるため、「深夜営業」をしている側面もあるのだろう。

 だが、緊急事態宣言が解除された直後に居酒屋でクラスターが発生すれば、「飲食店」はまた目の敵にされてしまう。店も客もそのリスクを負っていることは、忘れてはいけない。

(取材・文=AERA dot.編集部・飯塚大和)

AERA dot.より転載