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サントリーホールディングスに入社し、ペットボトル緑茶「伊右衛門」の原料茶葉調達に携わった人物が中心となって、「急須がなくてもOK」「どんな温度の水でもおいしく淹れられる」という日本茶の開発に副業で乗り出した。この日本茶は、累計10万種の茶葉を官能評価し、2万回以上の火入れ実験を行ってきた「茶葉設計技師」なる日本茶の達人が、多くの中から厳選した茶葉を黄金比でブレンドして開発したという。その調合技術を支えているのは、実はペットボトル緑茶の開発経験であるそうなのだが、その理由とは?同プロジェクトを手掛ける「一坪茶園」の脇奈津子代表と、そこで「茶葉設計技師」を名乗る永井大士さんに話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 鈴木崇久)

「茶葉設計技師」って何?
ペットボトル緑茶の経験が重要な理由

――いきなりですが、永井さんが名乗っている「茶葉設計技師」とは何なのでしょう?日本茶業界の中でそういう資格や職種が存在するのでしょうか?

脇奈津子 「茶葉設計技師」というのは、私たち一坪茶園がつくった言葉です。永井は日本茶の茶葉を調合して味を“デザイン”しています。そのことを伝えるためにこの言葉をつくりました。

脇奈津子さん
わき・なつこ/東京都出身。2001年サントリーホールディングス入社。営業部門でトップセールスを記録。出産後、「伊右衛門」の原料茶葉調達部署で新規ルートを開拓。その経験からメーカーにしかできないものづくりに携わるべくマーケティング部署へ異動し「南アルプス天然水」ブランドを担当。現在はヘルスケアの新ビジネスモデル創造に注力する一方で、副業として19年に立ち上げた「一坪茶園」の代表を務める。

永井大士 日本茶には大きく分けると2種類あります。一つは「リーフ」と呼ばれる包装茶で、もう一つは「ドリンク」と呼ぶペットボトル用などのお茶です。

 私たちは、この2種類どちらの茶葉設計についてもノウハウを持つ人を茶葉設計技師と呼んでいます。

――リーフとドリンクはそれぞれどのような茶葉設計のノウハウが必要なのですか?

永井 リーフは「新茶」「一番茶」として4〜5月に発売される包装茶です。最も高値で売れるので、茶農家さんは所得の大半をこれで稼ぎます。火入れやブレンドで勝負するというよりも、素材の良さを生かすイメージです。なので、単一的な火入れをするケースが多いです。