日本が、英国に次いで世界で2番目となる「孤独・孤立対策担当大臣」を任命したことをご存じだろうか?「何それ?」という人にぜひ知ってほしいことを、24年にわたって1000人超の「ひきこもり」状態にある人たちにインタビューを行ってきた筆者がお伝えしたい。(ジャーナリスト 池上正樹)
日本が世界で2カ国目の任命
「孤独・孤立対策担当大臣」
2月25日に発足した自民党の孤独・孤立対策特命委員会(委員長・松野博一元文部科学大臣)の会合が3月22日に開かれた。有識者ヒアリングとして筆者も「ひきこもり」をテーマに15分ほど講演。参加した議員たちから熱心な質問が相次いだ。
同委員会は、菅義偉首相が英国に次いで世界で2番目となる孤独・孤立対策担当大臣(坂本哲志氏)を任命し、具体的な支援策などを議論するために発足させたもの。新型コロナウイルスの影響によって孤独や孤立など、人々がひきこもる状況が深刻化していることがその背景にある。内閣官房には「孤独・孤立対策担当室」も設置された。
委員会は、自民党の『いわゆる「ひきこもり」の社会参画を考えるプロジェクトチーム(PT)』や『自民党若手有志による孤独対策勉強会』などの部会や勉強会が母体になっていて、今後6月までに政府の「骨太の方針」に反映させるための提言をまとめるという。
この日の会合では、下村博文政調会長から「孤独・孤立とひきこもりは関連性が高い」として、孤独・孤立やひきこもりに取り組むNPOなどへの支援について、党の要請を受けて決めたことなどが説明された。