日本の匿名掲示板として圧倒的な存在感を誇った「2ちゃんねる」や動画サイト「ニコニコ動画」などを手掛けてきて、いまも英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人などを続ける、ひろゆき氏。
10万部を突破したベストセラー1%の努力』では、その部分を掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。
「努力はしてこなかったが、僕は食いっぱぐれているわけではない。
つまり、『1%の努力』はしてきたわけだ」
「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。
ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。
そんな思いから、この企画がはじまった」(本書内容より)

そう語るひろゆき氏。インターネットの恩恵を受け、ネットの世界にどっぷりと浸かってきた「ネット的な生き方」に迫る――(こちらは2020年4月28日付け記事を再構成したものです)

「権威に弱い自分」を見よ

あなたは、「権威」に弱いだろうか。

かくいう僕も、医者や学者の言うことは聞くので、権威に弱いと言えるかもしれないので、程度の差だ。

その程度を確かめる1つの判断軸がある。

ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

「あなたは先輩に歯向かえるか?」

どうだろうか。

骨の髄まで体育会系が染み付いている人は、先輩に向かって端から歯向かおうという意識が端からない。

疑うことすら悪いことだと思っている人もいる。

それだけ権威に弱いのであれば、従順に生きたほうが幸せだ。いまさら無理に戦う必要はない。そういうことを僕は勧めない。

官僚や大企業では、そつのない人が年齢順に出世していく。

これは、昔からの社会システムの影響がある

「理不尽に耐える」というシステム

昔の日本は、長男が全部の財産を引き継いで、次男や三男は勝手に生きていくようなことが当然とされていた。今もその名残はある。

いわゆる家父長制であるが、その社会システムを持っている国は、「権威主義」が強い。

偉い人が決まったら、それに従うのが当たり前になり、偉い人が決めることを無意識に受け入れてしまうのだ。

頭のいい三男が文句を言っても、長男が決めたことは絶対だ。

そういう家族制度の国は、外の社会でもそれに倣い、父親や長男が、社長や上司に置き換わるだけになる。

だから、実際に兄弟がいるかどうか以前に、社会システムとしてどういう家族形態を取っている国なのかで、考え方にまで影響が及ぶ。

家父長制では親から、「家督はお前に継がせない」と言われると、すべてがなくなってしまう。

だから、どんな理不尽なことも受け入れてしまう。

ちなみに僕は留学時代、「先輩が言うことは絶対だ」なんて考え方はアメリカでまったく感じなかった。

個人が主張し、おかしいと思ったことはおかしいと言う。そういう環境だった。

先輩、後輩のような関係は、ない国にはない。

大企業が「有利」すぎる

アメリカや中国では、小さなベンチャー企業がいきなり大企業と取引が始まる例がよく起こる。

それは、どちらの国にも契約社会が成立しているからだ。

「日本でも契約はある!」と反論するかもしれないが、本当の契約社会というのは、お互いの利害が一致していないのが当たり前という前提で契約をする。

だから、お互いが自分の取り分を増やしたい思いがあるままなので、利害は一致していない。

「一部だけが一致しているから、ここの部分だけやりましょう」という状態で契約し、その後、もし揉めたときは裁判で解決する。

日本の場合、契約書が後回しだったり、契約書の文言をあまり読まずにハンコを押したり、お互いの利害が一致した前提になってから仕事をする。

だから、利害が一致してなかったり、なんとなく信用の置けない無名な会社だと契約をしない

その代わり、契約した会社とは、未来永劫、一心同体のような関係になる。

大企業や有名企業であることが、大きなステータスとなるのだ。

苦労をとるか、楽をとるか

ビル・ゲイツが、ウィンドウズで世界を席巻できたのは、日本とは真逆のアプローチだった。

当時、IBMが作っていたパソコンにMS-DOSというマイクロソフトが作ったソフトウェアを載せることになった。

マイクロソフトという、聞いたこともないシアトルの会社で、しかも学生がやっている弱小企業と、大企業のIBMがなぜ契約したのか。

それは、実際にプレゼンがうまくいったからだ

ソフトの実物を見せて、「ちゃんと動きますよね。じゃあ、ぜひやりましょう」という判断が下されたのだ。

日本の大企業ならば、目の前でちゃんと動いたとしても、「信用できない」「実績がない」と、空気的な理由をつけて契約されないだろう。

そのような社会なので、僕は学生には「小さな企業で苦労するより、まずは大企業に入ったほうがいい」と言っている。

その努力こそが「1%の努力」だと思うのだが、あなたはどのように感じただろうか?