富士フイルムホールディングスのCEOを退くことを発表した古森重隆氏(右端)、次期社長兼CEOの後藤禎一氏(真ん中)、現社長兼COO(最高執行責任者)の助野健児氏
富士フイルムホールディングスのCEOを退くことを発表した古森重隆氏(右端)、次期社長兼CEOの後藤禎一氏(中央)、現社長兼COO(最高執行責任者)の助野健児氏 写真:富士フイルムホールディングス提供

富士フイルムホールディングスでトップを21年務めた古森重隆会長兼CEO(最高経営責任者)が最高顧問に退く。次期トップの後藤禎一取締役は「社内一のアジア通」。また、同社のある戦略に深くかかわっており、その仕事から今後の経営の方向性がうかがえる。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

「やるべきことは
ほぼ成し遂げた」

 富士フイルムホールディングス(HD)は3月31日、トップ交代人事を発表した。古森重隆会長兼CEO(最高経営責任者)が最高顧問に退き、後藤禎一取締役が社長兼CEOに就任。助野健児社長兼COO(最高執行責任者)は会長に就く。6月開催の定時株主総会、取締役会を経て正式決定する。

 現在81歳の古森氏は2000年、富士写真フイルム(当時)社長に就任した。直後にデジタルカメラの急速な普及で、当時のメインビジネスだった銀塩フイルム事業が「大地震どころではなく」(古森氏)揺らいだ。事業構造の大転換で乗り切るべく、富士ゼロックス(当時、4月から富士フイルムビジネスイノベーションに名称変更)を連結子会社化(後に完全子会社化)し、医療事業を強化、化粧品事業への参入も果たした。

 銀塩フイルム事業がメインビジネスだったかつての競合、米コダックは12年に米国連邦破産法11条の適用を申請した。一方、富士フイルムHDは21年3月期の純利益予想がコロナ禍にもかかわらず、過去最高益の1600億円。古森氏の言葉を借りれば「第2の創業」は成功した。

 3月31日の記者会見でも、「コロナ禍の厳しい環境下にあっても、今期の純利益予想は過去最高。予期せぬパンデミックが起きても、富士フイルムは一段と強くなった」と古森氏。「私自身がやるべきことはほぼ成し遂げた」と威厳に満ちた態度で、舵取りした21年間を振り返った。

 では、約四半世紀ぶりに富士フイルムHDトップのバトンを受け取った後藤取締役はどんな人物なのか。