先週の総括

 先週の日経平均は前週末に発表された米雇用統計の非農業部門就業者数が94000人の増加と市場予想の8万人を上回る結果だったものの材料視されず週初は16000円前後で推移した。FOMCの利下げ幅が0.25%に留まったことが嫌気され、ダウ平均は200ドルを超える下げを記録した。

 日経平均も米国株下落の流れを受け、300円下落の15700円まで下落した。その後は週末にかけて揉み合い、結局前週末比2.8%下落の15514円で取引を終えた。規模別には主力大型株が売られた。業種別には不動産・保険・銀行など前週まで全体を牽引した金融株が売り込まれた。

今週の予報

石油元売り:石化事業の減速で「曇」→「雨」

くもり 雨

 今週の日経平均はもみ合いを予想する。サブプライム緊急対策として米欧5中銀が資金供給を発表したが、市場にアク抜け感が出ない。経済指標の好転も期待できないため、当面は現水準でのもみ合いとなろう。

 石油元売り業種は、新聞報道などに「実質減益」など、業績を表記するときに「実質」という言葉が使われることが多い。これは会計上の利益変動(在庫評価損益)が決算数字を歪めているからだ。在庫評価は売上げ原価を決定するために必要だが、総平均法とか後入れ先出し法など複数種類の評価法が存在する。出光興産は後入れ先出し法、新日本石油、新日鉱HD、コスモ石油は総平均法を採用。

 また影響を与える金額も大きく、例えば(5001)新日本石油の場合、今中間決算の経常利益は1591億円だが、在庫評価益が772億円もあり、差し引いた実質経常利益は820億円と半減してしまう。単純に過去の業績を比較してもそれが本当の意味で増益なのか減益なのかわかりにくい、投資家泣かせの業種だ。