米アプライドによる旧日立系の買収破談、背景に中国の思惑(写真はイメージです) Photo:SOPA Images/Gettyimages

アプライドがKOKUSAIの買収を断念
背景に中国当局の思惑

 3月29日、米国の半導体大手のアプライド・マテリアルズは、旧・日立製作所系のKOKUSAI ELECTRIC(以下、KOKUSAI)の買収を断念すると発表した。

 中国当局の承認を、買収完了の期限までに得られなかったことがその背景にある。

 アプライド・マテリアルズがKOKUSAIを買収すれば、米国当局の規制によって、中国企業の半導体製造装置などの入手が困難になる可能性がある。そのことを中国当局が懸念したとみられる。

 中国当局としては、ITなど先端分野での中国企業の優位性を、なんとしてでも維持したいと考えているのだろう。

 こうした中国当局の判断は、過去にも似たケースがあった。

 2018年、米国の半導体の大手のクアルコムは、オランダのNXPセミコンダクターズを買収しようとした。しかし、今回同様に中国当局は審査を長引かせ、クアルコムは時間切れを迎えて買収を断念した。その時期は、米中の通商摩擦が激化し始めたタイミングと重なる。

 中国は、米国の制裁発動などへの対応手段として、独占禁止法の運用を重視し始めたようだ。今回、アプライド・マテリアルズによるKOKUSAI買収の承認が下りなかったことは、そうした中国の考えが一段と強まり、IT先端分野での米中対立がさらなる先鋭化に向かっていることを示唆する。