ヤマトや佐川も無視できない「物流プラットフォーマー」がもたらす地殻変動ウーバーイーツ、ハコベルカーゴ、Pick Goなど、荷物と運び手をつなげるプラットフォーマーが物流業界で勢力を広げている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ウーバー、ハコベルカーゴ、Pick Go
台頭する物流プラットフォーマー

 物流業界が転換期を迎えている。外食デリバリーのUber eats(ウーバーイーツ)(運営企業:Uber Japan)をはじめ、軽貨物で安さがウリの「ハコベルカーゴ」(同:ラクスル)、ネット通販向け即日配送の「Pick Go」(同:CB cloud)など、荷物と運び手をつなげるプラットフォーマーが物流業界で勢力を広げている。

 この動きに対し、ヤマトがラクスルに、佐川がCB cloudにそれぞれ出資するなど、既存大手がプラットフォーマーを取り込む動きを見せるなど、業界の勢力図にも影響が及び始めている。

 プラットフォーマーの台頭には、2つの必然性がある。1つは荷主からの要請だ。DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、荷主企業ではサプライチェーン上の情報を統合して経営効率を高める取り組みが活発化しているが、その1つにビッグデータやAIを活用した輸送ルート/手段の最適化による物流コスト低減がある。

 物流企業は、多様な輸送手段や細分化された配送網など、常に最適な物流サービスを提供できる体制(フィジカルインターネット)で荷主からの要請にキャッチアップせねばならないが、一社単独では対応に限界がある。このため物流企業も、オープンプラットフォームに参画するインセンティブが自然と働く。

 また物流業界では、コロナ禍での宅配需要増大を背景に、(いわゆる)ラストワンマイルの担い手となる配送ドライバーや荷物受け渡しロッカーの確保が過熱化している。これも、限られた資源を奪い合うより分け合う(シェアリング)方が、物流企業にとって合理的との見立てにシフトしつつある。