JA陥落 農業沸騰#4Photo:123RF,PIXTA,da-kuk/gettyimages

農産物の流通をはじめとした農業界のプレーヤーの間で、2020年ほど明暗がくっきりと分かれた年はない。優勝劣敗が鮮明となり負け組が脱落していく一方で、企業の農業への投資が活発化し「農業バブル」が到来しているのだ。特集『JA陥落 農業沸騰』(全21回)の#4では、有力農家をパートナーにして農業で稼ぐ企業の思惑を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

勝ち組に投資資金が集中
乱世を生き抜き巨利を得るのは?

 農業界と食品業界にかつてない大淘汰の波が押し寄せている。

 農産物の安定的な納入先とみられていた外食向けなどの業務用の需要がコロナ禍で蒸発する一方で、近年、減少傾向にあった家庭内消費が復活した。農作物の需要のトレンドが激変したのだ。

 家庭内消費向けの流通の中でも、特にインターネット販売は爆発的な伸びを見せている。産直アプリ「ポケットマルシェ(ポケマル)」の売上高は何と20倍(2020年2月末と同年のピークだった5月を比較)に激増した。

 ここぞとばかりに成長投資にかじを切る勝ち組企業のバブルぶりを見ていこう。