アマゾンが今夏から名古屋市内で生鮮食品の宅配サービスを始める。東海地方を拠点とする食品スーパー大手バローホールディングスと協業し、バローの店舗の商品をアマゾンの物流網を使い顧客に届ける。生鮮宅配について、首都圏では直販から始めたアマゾン。なぜバローと協業の道を選んだのか。(ダイヤモンド編集部 大矢博之)
ライフに続き東海ではバローと協業
最短2時間での生鮮宅配を目指す
アマゾンが名古屋で生鮮事業に殴り込み――。
アマゾンジャパンは9日、東海地方を拠点とする食品スーパー大手バローホールディングスと協業し、今夏から生鮮食品の宅配サービスを始めると発表した。名古屋市内のバローの1店舗からサービスを始め、配送エリアは順次拡大していく。
アマゾンは有料の「プライム」会員向けに、17年から生鮮食品の直販サービス「アマゾンフレッシュ」を開始。現在は首都圏の一部のエリアでサービスを展開している。また19年には食品スーパー大手ライフコーポレーションと協業し、首都圏と大阪の一部エリアで生鮮食品の宅配サービスを手掛けている。
今回の協業はライフとの先行事例と同様のスタイルだ。まずアマゾンのウェブサイト上に、バローの専用ストアをオープンする。プライム会員が注文すると、バローの実店舗で従業員が商品をピックアップ。それをアマゾンの配送網を通じて自宅などへ届ける。取り扱う商品は生鮮食品やバローのプライベートブランド(PB)など約8000品目。最短で2時間の配送を目指す。
既存のアマゾンフレッシュのサービスでは、最低購入金額は4000円。ライフは最低購入金額が2000円で、購入金額に応じて配送料が無料~440円へと変わる仕組みだった。今回のバローとの取り組みの料金や配送エリアの詳細は検討中というものの、最低購入金額は設定される見込みだ。
生鮮食品事業を直販から始めたアマゾン。東海地方へとサービスを拡大するにあたり、なぜバローと組むことにしたのか。