東芝買収提案で懸念される安全保障リスク・経営陣救済説の現実味
東芝が英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズから買収提案を受け、検討を進めている Photo:123RF

英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズによる東芝への買収提案。この提案を受け入れた場合、どんな効果が期待できるのか。また、安全保障上のリスクも指摘されているが、買収差し止めは現実的な判断といえるのだろうか。指摘されている懸念と、買収によって期待されていることについて解説する。(経済評論家 加谷珪一)

英CVCの買収提案
東芝が受け入れた場合の効果は?

 経営再建中の東芝が、英国の投資ファンドから買収提案を受けた。東芝は株主となっている投資ファンドとの間で、取締役人事などをめぐって対立を繰り返しており、十分なガバナンスを発揮しているとは言い難い。今回の買収提案については、安全保障上の問題を指摘する声があることに加え、窮地に陥った東芝経営陣の救済であるとの指摘も出ている。

 確かにそうした面があることは否定できないが、もともと東芝の原子力技術は米ゼネラル・エレクトリック(GE)から導入したものであり、英国が保有する米国の名門原子力企業を買収して事業を拡大させたという経緯がある。また、非上場化されれば、株主の意向が経営に強く反映されるのは確実であり、ガバナンスの改善が見込める。東芝は完全買収によってすべてのウミを出し切った方が日本の国益に資するだろう。