「この人となら幸せになれると思ったのに…」

結婚するときには、「この人となら幸せになれると思う」と思って、結婚する人が多いのではないだろうか。自分ひとりでは満たされない心の部分をパートナーに満たしてもらいたい、この人なら満たしてくれる、と思って結婚するわけである。しかしこの願望はそうそう簡単に満たされるものではないので、大なり小なりの落胆が待っている。その落胆の矛先はパートナーに向かい、夫婦げんかを繰り返すことになってしまう。

親は時に自分の満たされない願望を子どもに託す。そうすると子どもは親の願望でがんじがらめになり、自分の人生を自由に生きることができなくなる場合もある。

まずは自分の心身のバランスを保つ

『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』の本の中に、Aさん夫婦にぴったりなメッセージを見つけた。

「正しいか正しくないかを問い詰めずに相手を優しく包み込むこと。相手に何も望まないこと。相手の何かが原因で自分があまりにつらいときは、心からお願いしてみること。それでも相手が自分の意見を聞き入れないなら、変えようとせずに理解すること。」

これは私が「親ガイダンス」を行っているときに親御さんに伝えていることと一致していた。夫婦関係では、お互いが忙しくていっぱいいっぱいになると、思いやりもへったくれもなくなり、相手への要求と不満がどんどん増えてくる。だから、まずは自分自身の心身のバランスを保つことが大切だろう。そのために自分なりの方法をいくつか持っていると良いと思う。そうでないとパートナーに思いやりをもつことは難しくなってしまうだろう。