大切なのは「自分が変わること」

また、Aさん夫婦のように、けんかの解決策を「お前が××を直さないから」「あなたが○○を直さないから」と相手に求めることはしばしばある。状況を改善するためには相手ではなく、自分には何ができるかをひとつずつでいいのでまず考えることが大切であろう。もちろん、言うほど簡単なことじゃない、わけであるが。

頭がカーッとなって、相手を責めたい気持ちになったら、『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』を読んでみたらいかがだろうか。少しは冷静になれる気がする。恋愛、人間関係、仕事などについてのエピソードがたくさん載っており、無気力、孤独感、自分の好きなことがわからない、人付き合いがうまくいかないなど、切実な悩みもふくまれていた。病院やカウンセリングに行くほどでもないけれど、疲れている、迷っている、困っている人たちへのメッセージが詰まっていると思う。

Aさん夫婦は「親ガイダンス」に通い始めてから、娘の前でけんかをするのをやめた。相手を責めることは完全にはなくなってはいないが、娘のために自分たちがそれぞれできることを決めて取り組んでいる。

相手を責めたくなるときに、その気持ちを抑えて、自分の心の中を見つめること。相手に思いやりを持つこと。そして相手に変わることを求めるのではなく、自分が変わること。

自分が変わることも難しい課題ではあるが、相手を変えることはもっと難しい。だから自分変われるところを見つける必要があるのだ。これはパートナーとの関係上大事なことだが、時になかなか難しい課題である。