不動産の景気サイクルには2つの波がある

(4)景気サイクルと出口戦略(Cycle&Exit)

 景気サイクルと出口戦略は、特に重要性を強調しておきたい。GSDで「不動産マーケットと都市経済」を教えているレイモンド・トルト教授が、見事に2020年のコロナによる不動産不況を言い当ててしまったからだ。

 不動産の景気サイクルには2つの波がある。ひとつはマクロ経済や経済的なイベント(出来事)による大きな10年の景気サイクル。そしてもうひとつが人間の記憶による5年のサイクルだ。

 さらに、出口(物件売却と利益確定)を想定しての資産拡大手法は、ハーバード式不動産投資の真骨頂のひとつだ。

 売却については、あまり紹介している書籍がないし、日本の不動産投資家の大半は家賃収入を得続けて、物件を半永久的に保持することを好む。

 しかし、出口を想定しつつ、うまく売却できれば、不労所得を享受しつつ、莫大な売却益を得ることができる。家賃収入と売却収益の合わせ技で資産を拡大しよう。