どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化したハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売されました。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読です。好評連載のバックナンバーこちらからどうぞ。

自己資金1000万円で<br />1億2000万円の物件を開発した場合、<br />不労所得はいくらになるか?Photo: Adobe Stock

一生モノのスキル、BOE分析を身につけよう

 前回説明したように、個人大家さんも、ハーバードデザイン大学院(GSD)の教授陣も、封筒裏書き分析法(BOE分析)を実践している。このBOE分析をこれから何百と繰り返すことが、どんな時代でも生き残れる不動産投資家への道だ。

 やればやるほど分析速度と精度が上がり、掘り出し物にたどり着ける確率が上がるので実行してみて欲しい。下のイラストにある物件についてステップ・バイ・ステップでBOE分析を計算をしてみよう。

計算例:収入の部
 1室月額家賃8万円×10室×12ヵ月=960万円(満室時年間想定家賃収入/GPI)
 空室率5%とすると稼働率は95%なので、
 960万円×95%=912万円(実効総収入/EI)

計算例:支出(OPEX)の部
 これは経験を積めば割合で概算できる。
 不動産管理費用(PM費用):EI(実効総収入)の5% 912万円×5%=45.6万円(年額)
 建物管理費用(BM費用):月額4万円 4万円×12ヵ月=48万円
 水道光熱費用(Utility Cost):月額2万円 2万円×12ヵ月=24万円
 火災地震保険費用(Insurance):年額9万円
 固定資産税・都市計画税(RE Tax):年額35万円

 つまり合計の不動産運営経費は、
 OPEX= 45.6万円+48万円+24万円+9万円+35万円=161.6万円

 これをEIからさっぴけばNOI(実質収益)が出る。

 NOI(実質収益)=912万円-161.6万円=750万円(小数点省略)

 改めて、まとめると上のBOE分析となる。