台湾が過去50年で最も深刻な干ばつに見舞われている。世界の半導体不足が近年では例のないほど悪化する中、世界の半導体生産能力の3分の2を占める台湾にかかる重圧が増している。半導体製造過程では大量の水を必要とする。台湾政府はこうしたメーカーを対象に例外措置を講じており、今のところ影響はさほど大きくなっていない。だが、今後も十分な降雨がなければ水不足が悪化しかねないと企業は警戒している。台湾積体電路製造(TSMC)は半導体ファウンドリー(受託生産)で世界で最大手だ。調査会社トレンドフォースによると、台湾の半導体工場は世界の生産量の65%を賄っており、生産能力の大半をTSMCが占める。台湾では台風によって貯水の大部分が賄われる。ところが昨年は台風の発生が少なかった影響で水の供給が不足し、政府は最近になって100万以上の企業や住民を対象に給水制限を開始した。