指数連動型商品への投資が市場をどれほどゆがめているかという議論が活発化するなか、ある指数がゆがみの主要因として候補に挙がっているようだ。S&Pグローバル・クリーン・エネルギー指数だ。設計に不備があり、30の構成銘柄に注ぎ込まれている資金があまりにも多いからだ。この30の銘柄の多くは、規模が小さく取引が難しい。だが奇妙な点は、同指数には大きな影響力がほとんどないことだ。つまり、この指数が問題なのではなく、クリーンエネルギー株に熱狂している人々が問題なのだ。資産運用会社ブラックロック・グループが運用するETF(上場投資信託)ブランド「iシェアーズ(iShares)ETF」のETFのうち、同指数に連動する2つに大量の資金が流れ込んでいる。この2つのETFの保有株式の相場上昇と相まって、これらETFの規模は約5カ月間で5倍に増え、1月のピーク時には142億ドル(約1兆5400億円)に到達。その後は約100億ドルに縮小している。